ガーシー被告初公判

(2)「金銭トラブル報道後、綾野さんから連絡なくなる」 検察側が冒頭陳述

ガーシー被告=6月
ガーシー被告=6月

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《暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)罪などの罪に問われた元参院議員のガーシーこと東谷義和被告(51)の初公判。法廷前の廊下には報道陣のほか、傍聴券の抽選に外れたものの、裁判の様子を伺おうとやってきた「傍聴希望者」らの姿があった》

《法廷内では、東谷被告の罪状認否が終わり、検察側の冒頭陳述が始まった。弁護人側の席に座った東谷被告は、静かに耳を傾けている》

検察官「被告人は大学を卒業後、イベント企画などを経て、令和4年に参院議員に当選しました」

《男性検察官が早口で書面を読み上げていく。被告は昨年7月の参院選比例代表で旧NHK党(現・政治家女子48党)から初当選したが、海外に滞在して一度も登院せず、今年3月に参院本会議で除名されている》

検察官「被告は『韓国アイドルに会わせる』と言って女性らから多額の金銭を集めたとする詐欺トラブルを報じられました」

《この報道後、それまで交遊関係にあった芸能人らに距離を置かれたと感じたという被告。これが、動画配信の本格化につながったという》

検察官「知人から(投稿サイトの)ユーチューブで暴露動画を配信することを持ち掛けられ、令和4年2月ごろに『ガーシーch』を立ち上げました」

《こうして被告は、自分の意に沿わないと感じた芸能人らの「暴露話」を投稿するようになったという。同年7月にはユーチューブからアカウントを凍結されたが、登録者数は100万人を超え、検察側は、これによって被告が収益を得ていたと指摘した》

検察官「また、協力者らに『切り抜き動画』を投稿させ、収益の一部を納めさせていました」

《「切り抜き動画」とは、東谷被告が投稿した動画の要点を編集して再投稿したものだ》

《続いて検察官は、俳優の綾野剛さんと所属事務所に対する「攻撃」の詳細について説明を始めた》

検察官「被告は『アテンド』と称して(綾野さんに)女性を紹介するなどしていましたが、詐欺トラブルが報じられた後、綾野から連絡が来なくなりました」

《起訴状によると、被告は4年2月28日頃、滞在先のアラブ首長国連邦(UAE)からユーチューブに「爆弾はいっぱいあります」などと話す動画を投稿したとされる》

《しかし、その後も綾野さんサイドから被告に連絡がなかったという》

検察官「(綾野さんらが)警視庁に告訴状を提出したことを知ると、告訴を取り下げさせようと、追起訴状の第一の行為に及びました」

《追起訴の内容は、5年2月8日頃、UAEから「お前、裁判出てくるってことがどんだけタレントとして致命的かっていうのを、よう考えて出て来いよ」などと話す動画を投稿した、というものだ》

《冒頭陳述の内容を一気に読み上げた検察官。審理は証拠調べに移った》

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