米、イランのアフマディネジャド元大統領に制裁 米国人の不当拘束などに関与

アフマディネジャド元イラン大統領(佐藤貴生撮影)
アフマディネジャド元イラン大統領(佐藤貴生撮影)

【ワシントン=大内清】バイデン米政権は18日、イランによる米国人の不当な拘束に関与したとして、イランのアフマディネジャド元大統領に制裁を科すと発表した。米国はこれに先立ち、イランで拘束されていた米国民5人の解放と引き換えに、米国で収監中のイラン人5人の釈放や一部のイラン在外資産の凍結を解除する措置を発表。大統領経験者への制裁発動には、バイデン政権がイランに融和的だとの印象が国内外で広がるのを避ける狙いもあるとみられる。

米財務省の発表によると、アフマディネジャド氏は大統領在任中の2005~13年、情報機関を統括する情報省を通じて米国人の不当な拘束や国内での人権侵害などに関与。同氏は現在も最高指導者の諮問機関である最高評議会のメンバーとして政治への影響力を保持している。

制裁により、アフマディネジャド氏が米国内に保有したり米国民を通じて管理したりする資産はすべて凍結されるほか、同氏と取引関係のある金融機関や個人は米法執行機関の摘発対象となる。

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