英情報会社クラリベイトは19日、論文の引用回数が非常に多く「ノーベル賞級」と評価できる成果を出した研究者23人を発表した。日本からは、睡眠と覚醒に関わる物質を発見した筑波大国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史機構長(63)と、体内で薬を運ぶ新技術を開発した川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンターの片岡一則センター長(72)が選ばれた。
同社の「クラリベイト引用栄誉賞」が贈られる。毎年発表しており、受賞後にノーベル賞に選ばれた研究者は多い。
柳沢氏は、覚醒と睡眠の切り替えに関わる物質「オレキシン」を発見。不眠症や、突然眠ってしまう「ナルコレプシー」の治療法開発を進めた。
片岡氏は、薬や遺伝子を体内の狙った場所に届けて働かせる極小の高分子を開発。がんなどさまざまな病気の治療を発展させている。
同社が提供するデータベースに基づき、論文の引用回数などを分析して選んだ。今年のノーベル賞は医学生理学賞を皮切りに10月2日から順次、発表される。