斉藤鉄夫国土交通相は19日の閣議後記者会見で、沖縄県の玉城デニー知事が国連人権理事会の演説で米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設が「民意に反している」という趣旨の発言をしたことについて「コメントは差し控える」としながらも、確定した県側敗訴の最高裁判決に沿って「(移設に向けて)速やかに承認されるものと考えている」と述べた。
スイスで18日に開かれた国連人権理事会の演説でで、玉城氏は「民主的に行われた県民投票で、沖縄の有権者が明確に反対したにもかかわらず、埋め立て工事は進んでいる」「私たちは軍事力の増強が日本の周辺地域の緊張を高めることを恐れている」などと反対姿勢を強調した。
辺野古移設を巡っては、地盤改良工事の設計変更を承認するよう是正指示を出したのは違法な国の関与に当たるとして、県が国に指示の取り消しを求めた訴訟で、最高裁が4日に県側の上告を棄却。県側の敗訴が確定し、玉城氏は設計変更を承認する義務を負った。
会見で斉藤氏は「現時点で知事が変更承認したとは承知していない」と指摘。ただ、県の代わりに大臣が承認する「代執行」に向けた手続きをとるかどうかについては言及を避けた。