南カフカス地方アゼルバイジャンの国防省は19日、ロシアの同盟国で隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフ自治州で「局所的な対テロ措置」を開始したと発表した。高精度兵器による軍事目標の破壊が目標だとしている。アゼルバイジャン国防省はまた、アルメニア側から砲撃を受け、自国兵2人が負傷したとも主張した。両国の大規模な戦闘に発展するかは不明。
ともに旧ソ連構成国である両国と関係が深いロシアは停戦を求めた。
アゼルバイジャンのメディアは、同国軍が同自治州内のアルメニア軍の防空システムを長距離攻撃で破壊したとするビデオを公開した。一方、タス通信によると、アルメニア側は同自治州内への自国軍の配備を否定。「アゼルバイジャンによる侵略だ」と指摘した。
両国の間では2020年秋、同自治州を巡る大規模紛争が発生。ロシアの仲介で停戦したが、その後も散発的な衝突が起きてきた。
20年の紛争ではトルコを後ろ盾としたアゼルバイジャンが事実上勝利。同自治州内の実効支配地域の多くを失う形となったアルメニアはロシアの停戦仲介に不満を示し、最近はロシアとの疎遠化が目立っている。