スッポンの仲間「アドクス属」 最古の化石、徳島で発掘

徳島県勝浦町で甲羅の化石が見つかった「アドクス属」の復元図(ⓒ山本匠、徳島県立博物館提供)
徳島県勝浦町で甲羅の化石が見つかった「アドクス属」の復元図(ⓒ山本匠、徳島県立博物館提供)

徳島県立博物館(徳島市)と福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)は19日、徳島県勝浦町の地層からスッポンの仲間「アドクス属」の世界最古の化石が発掘されたと発表した。化石は甲羅の一部で16点。複数の個体と考えられる。約1億3千万年前(白亜紀前期)の地層で見つかった。

徳島県勝浦町で見つかった「アドクス属」の甲羅の化石
徳島県勝浦町で見つかった「アドクス属」の甲羅の化石

徳島県立博物館によると、アドクス属は北米やアジアに生息し、約3400万年前に絶滅したカメ類。これまでアドクス属の世界最古の化石は、福井、福岡両県で発見された約1億2千万年前のものだった。

アドクス属はスッポンと同じ「スッポン上科」に分類されるが、陸と水を行き来するなど、ほぼ水中にいるスッポンとは異なる特徴を持つ。勝浦町では恐竜の化石も発見されており、恐竜の発掘調査の中で見つかった。

徳島県立博物館の小布施彰太学芸員は「カメの進化の手がかりなどを明らかにする上で重要な標本になる」と話している。22日から同館の常設展で一般公開される。

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