東京駅近くの鉄骨落下事故 作業員2人死亡、1人意識不明 支柱の固定不十分だったか

鉄骨が落下したビルの工事現場=19日午前、東京都中央区(酒井真大撮影)
鉄骨が落下したビルの工事現場=19日午前、東京都中央区(酒井真大撮影)

警視庁中央署によると、東京都中央区八重洲のJR東京駅八重洲口近くの工事現場で19日午前に鉄骨が落下した事故で、巻き込まれた作業員5人のうち30代と40代の2人が死亡した。40代の1人が意識不明の重体だという。残る20代の2人は搬送時に意識はあったがけがの程度は不明だとしている。

現場は、地下4階、地上51階建てのビルを建設中で、令和3年10月に着工し、7年7月末の完成を予定。施工は大林組が代表の共同企業体(JV)が担当していた。

中央署によると、15トンくらいある支柱が倒れたとみられるという。作業員5人のうち4人は7階にいたとされ、鉄骨とともに3階まで落下。中央署は、支柱の固定が不十分だった可能性もあるとみて詳しい状況を調べている。

現場はJR東京駅から南東に約350メートルのビジネス街の一角で、八重洲通りに面している。

現場近くのホテルで働いている40代の男性従業員は、作業服を着た2人が搬送されるのを見たという。酸素マスクを付けられ、流血しているのも分かったとする。

男性は「地響きとともに雷のような『ドーン』という音がした。まさかこんな事故が起こるとは…」と驚いていた。近くの病院で受診中だった60代の女性も「雷のようなすごい音がして病院が揺れた」と話した。

一方、産経新聞の取材に大林組は「原因は調査中。近隣の方にご迷惑とご心配を掛けおわび申し上げる。被害に遭われた方には誠心誠意対応していく」とコメントした。

警視庁は、東京駅近くで起きたビル作業員転落事故の現場住所を、東京都中央区日本橋から中央区八重洲に訂正した。

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