今になって掌(てのひら)を返し、競ってジャニーズタレントのCM中止などを打ち出している有名企業に違和感を覚える。
サントリーホールディングスの新浪剛史社長など、ジャニーズ事務所の「対応が不十分」「使うことは虐待を認めることになる」とまで。
じゃあ、サントリーの広告部員たちはこれまでジャニー喜多川氏の性癖について、全く知らなかったのか。
そんなハズはあるまい。
さすが『週刊新潮』(9月21日号)、そういう世間の気分を実にうまく摑(つか)まえる。
「『ジャニーズ大炎上』何をいまさら『人権』『正義』の大合唱」
「ジャニーズ性加害問題当事者の会」平本淳也代表もこう言う。
〈「ジャニーズ事務所に所属するタレントたちには何の罪もないのに、手の平返しで彼らの起用を止めることについては、即刻中止して欲しいです。タレントたちの起用を止めたり契約を打ち切るのは、それこそ人権侵害だと思います」〉
〈「特に日本人は右に倣えで、あそこがやったからうちも、となりがちですが、〝恥ずかしくないのか〟と言いたい。(中略)人権、コンプライアンスなどと言いながら何の関係もないタレントに罪を負わせているだけ」〉
まさに正論。企業の社長たちに聞かせたい言葉だ。
岸田文雄首相が内閣改造を発表したとたん、『週刊文春』(9月21日号)は、「内閣改造〝失敗の核心〟 小渕優子がドリル秘書不動産会社に政治資金1200万円を還流させている!」。
改造で小渕氏が入閣か党役員との噂は早くから出ていたので、『文春』は狙いすまして取材していたのだろうが、これはやや無理筋。
「政治資金」というとかならず出てくる上脇博之神戸学院大教授でさえ、〈「政治的・道義的に不適切」〉としか言えないようだ。
そういえば『文春』、今週号からモノクログラビアがなくなったのは寂しい。
さるカメラマンが嘆いていた。
「ネットで使ってくれても1枚3000円。しかも使い放題。商売になりませんよ」
(月刊『Hanada』編集長)