【ワシントン=坂本一之】ブッシュ、オバマ両米政権で米軍制服組トップを務めたマイケル・マレン元統合参謀本部議長が17日までに産経新聞の電話インタビューに応じ、非常時に米国内産業の統制権限を大統領に認める「国防生産法」を活用して、台湾への兵器供与を迅速化すべきだと訴えた。今月13日に行われた露朝首脳会談に関しては、双方は「互いに補完する関係だ」と指摘。北朝鮮の旧式兵器であっても露軍のウクライナ攻撃に役立つとして、軍事協力への懸念を示した。
マレン氏は昨年3月、バイデン大統領が派遣した台湾訪問団を率いた。中国の軍事力について「過去20年間の投資によって向上した」とする一方で、中国軍が米軍を上回る能力を確立する可能性は否定した。中国が台湾に軍事圧力を高めている現状を踏まえ、台湾情勢を1962年のキューバ危機になぞらえ、「非常に危険な状況にある」と警鐘を鳴らした。
中国に台湾侵攻を決断させないため、マレン氏は米国と同盟国による「強力な抑止力の構築」を求めた。米国に関しては、国防生産法を活用すれば規制緩和などで台湾向け兵器製造を迅速化できると指摘。同法により、「これまでよりも大量で高性能の兵器供給」が可能になると述べた。