中国初の国産空母「山東」を含む中国艦隊は今月中旬、中国軍の戦闘機とともに、台湾の東側に位置する西太平洋で合同軍事演習を実施した。13日には、演習に参加しているとみられる68機の中国軍機が台湾の防空識別圏に進入している。
中国は最近、台湾周辺で軍事演習を繰り返している。そこには、中国軍部隊の能力強化という一義的な目的に加え、台湾を「演習慣れ」させる意図が込められている。
過去の戦史で、大規模軍事演習と称して軍部隊を集結させ、相手の油断を誘って軍事侵攻に踏み切った例は少なくない。中国は侵攻の構えを示すことで台湾を緊張させ、実際には演習実施にとどめるという行動を重ねることで、台湾に「また演習か」との意識を植え付けて即応体制を弱体化させようとしている。