民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」制作のオリジナルドラマ「潜入捜査官 松下洸平」の配信が始まった。松下洸平さんが芸能界に潜入した警視庁捜査官の役を演じる。マフィアと関わりを持つ大物俳優(佐藤浩市さん)にどうやって食い込むか、というのが物語の大筋。
予告されていたように、松下さんが出演した在京民放5局のバラエティー番組がドラマ内に使われている。虚実の融合ぶりが注目ポイント。ティーバーではドラマの配信開始に合わせて、バラエティー番組の松下さん出演回も再配信中。答え合わせのように見比べることができる。
これまでの4話では、バラエティー出演シーンは主に松下捜査官の日常の仕事という体で描かれている。つまり、芸能界への見事な潜入ぶりを示していて、コメディー的な演出も多め。
「全力!脱力タイムズ」(フジテレビ系)では、松下さんがハリウッドザコシショウさんのモノマネをするアドリブがあった。ドラマ本編には、そのシーンを使った上で、脱力タイムズの反省会に呼び出される場面を追加。くりぃむしちゅーの有田哲平さんが延々とパワハラ的なダメ出しをして、松下さんは何度もモノマネを熱演して(させられて)いた。
リアルなバラエティーとフィクションのドラマがうまくつながっていて、テレビの舞台裏をのぞいているような雰囲気。有田さんが(もちろん演技だけど)嫌なヤツ過ぎて爆笑だった。
「あざとくて何が悪いの?」(テレビ朝日系)では、トークの中で松下さんが、ゴミを取ってくれる女優さんがいる、と話して盛り上がったのだが、ドラマでは、言葉そのまんま、顔についたゴミを馬場ふみかさんに取ってもらうシーンが登場。たぶん、放送内容に合わせてドラマの方にシンクロする場面を作ったと思われる。
単独でもかなり面白いし、両方見比べることで味わいが増す。ほんと、新しいものが出てきた感じ。(ライター 篠原知存)