第32回舟友会書展が9月12日から9月17日まで、銀座・鳩居堂3階画廊で開催されている。
舟友会は、「読めて、分かって、心惹かれる書」を提唱した白井竹舟が創設した「竹舟会」を、師の没後「舟友会」として門人が継承したもので、師の没後21年、現在も結束してその遺風を伝えている。青木錦舟さん(産経国際書会副理事長・海游舎副会長)は、漢字の「風神雷神」と詩文の「暮れ行く秋の日よ…」の二作を発表。前者は銀箔の台紙に鋭い筆線で紙背を切り裂く意欲作、後者は詩文に重ねて激情の余韻を表したのであろう、筆線を縦横に走らせたのであろう、これも意欲的な作品だ。他に漢字では、軽やかな筆致の有賀湖舟「十有三春秋…」、造形が面白い中尾光泰「香」、吉田竹生「花(三様)」など。詩文書では、大毛青舟「憂きことを…」、髙橋汀祥「岩もあり木の根もあれど…」、野口寛舟「かあさんは夜なべをして…」などが、温かく余韻が響き印象に残った。20名が28作を出陳し、心に惹かれる楽しい展観であった。