パナソニックホールディングス(HD)は12日、自社が保有する特許などの知的財産情報を検索できる専用サイト「技術インデックス」を公開した。同社で活用されていない休眠技術を必要とする外部の企業と結びつけることで新たな製品やサービスの創出を目指す。
同社が保有する知的財産は10万件以上に上り、グループ内ですら担当者を把握するのに苦労したり、使い道を見いだせず技術が休眠状態になっていたりするケースが少なくないという。そこで令和3年に技術インデックスの社内版を作成。現在は月に1500件ほどのアクセスがあり、10件以上の新規事業が立ち上がっているという。社内版の好評を受け、社外向けの技術インデックスを公開した。
公開されている技術は、人の持続的な幸せを支援する「ウェルビーイング」と脱炭素などに関連する「環境」の2つに分かれている。センサーで人の感情を推定する独自技術や電気自動車(EV)に関するものまで、数万件を簡単に検索できる。
技術部門を束ねる小川立夫・最高技術責任者(CTO)は「脱炭素などはわが社だけで完結しないので、いろいろな会社と早期から協業できればと考えている」と話した。
技術インデックスの公開に合わせ、関係企業向けに開発中の技術の展示会も初めて開催。また、本社敷地内に7年竣工(しゅんこう)予定の技術開発の新棟を他社との協業のための拠点とするとしている。