9月8日から13日まで仙台市青葉区のせんだいメディアテークで開催される「第40回記念産経国際書展東北展」(産経新聞社、産経国際書会主催)で、同区の伊勢枝香(しこう)さん(67)=写真=が伊達政宗賞に輝いた。
産経国際書展には初回から応募を続けてきたが、見事40回の節目で地区最高賞を射止め、「なんで私が?と頭が真っ白に」。
16歳で故佐藤静香産経国際書会顧問の門をたたき、佐藤顧問亡きあとは建部恭子産経国際書会副理事長に師事。「好きだと思うと長続きするタイプ」という言葉通り、半世紀にわたって筆を握り続けてきた。子育てや介護、夫の転勤なども経験したが「両先生の御指導と家族の協力があったからここまで来られた」と振り返る。
受賞作の題材は高良留美子の詩「旅びと」。「豊穣の海を運ぶ黒潮」の一句から始まり、命の営みを謳(うた)いあげる。「東日本大震災で津波のイメージに。けれど日本人は海の恩恵にあずかっていることを忘れてはいけないと改めて思った」と選んだ理由を語る。たっぷりとした線は、「年を重ねたからこそできた表現かも」。全体の流れを意識して書き上げたという。
「今の自分に満足する事なく、いろいろなことに挑戦したい」と、持ち前の明るさで、興味を広げている。(塩塚夢)
「第40回記念産経国際書展東北展」(産経国際書会、産経新聞社ほか主催)は9月8日から13日まで、仙台市青葉区のせんだいメディアテーク 6Fギャラリーで開催。入場無料。午前10時~午後6時(最終日は午後4時まで)。