<独自>損保ジャパンの保険料収入10%以上増 ビッグモーターとの取引再開で

損害保険ジャパンと中古車販売大手ビッグモーター
損害保険ジャパンと中古車販売大手ビッグモーター

損害保険ジャパンが中古車販売大手ビッグモーター(BM)から得た令和4年度の保険料収入が前年度比で10%以上増加していたことが関係者への取材で30日、分かった。昨年6月に保険金の水増し請求の可能性が発覚し、損保各社がBMへの事故車の紹介を停止した一方、損保ジャパンはいったん中止したBMとの取引を同7月に再開したことが大幅な増収につながったとみられる。

自動車保険は加入が義務付けられている自賠責保険と任意保険があり、BMと損保各社は、損保側が事故車をBMの修理工場に紹介し、BMが保険代理店として自賠責の契約を各社に割り当てる関係にあった。

産経新聞が入手した文書によると、BMの4年度の自賠責と任意を合わせた損保会社との保険料取引総額は約190億円に上る。そのうち損保ジャパンの保険料収入は約114億円と前年度から10%以上増加し、シェアは約60%。他の大手各社のシェアは三井住友海上火災保険が約18%、東京海上日動火災保険が約14%、あいおいニッセイ同和損害保険が約5%だった。

昨年6月に損保ジャパンと三井住友海上、東京海上の3社はBMに不正の実態調査を要請。BMは現場の経験不足などを不正の理由に挙げたが、三井住友海上と東京海上の2社は納得できず、追加調査を求めた。BMはこれに反発、昨年7月に両社への自賠責契約の割り当てを全面停止した。

これに対し、損保ジャパンの白川儀一社長は昨年7月の役員会議でBMとの関係悪化を懸念し、取引再開を促す発言をしていた。損保ジャパンが取引を再開したのは他社への顧客流出を懸念したとみられる。

金融相「問題は厳正対応」 損保ジャパン社長発言で

損保ジャパンの白川社長、ビッグモーターとの取引再開促す

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