製薬大手のエーザイが開発したアルツハイマー病治療薬レカネマブについて、厚生労働省の専門部会は21日、承認の可否の判断を示す。記憶や判断力などの認知機能が徐々に失われるアルツハイマー病の症例が初めて報告されてから約120年。その後の長い治療薬開発の歴史の中で、レカネマブは病気の原因物質に直接効く初めての薬剤となる。病気の進行を遅らせることができ、アルツハイマー病だけでなく、認知症治療が大きく前進するとの期待も高い。今後、別の薬剤の登場も想定されており、認知症治療の転換点となる可能性も高い。
Aβ仮説
国際アルツハイマー病協会によると、認知症患者は現在、世界で5500万人以上いると推定され、2050年までに1億3900万人に増えると見込まれている。認知症患者は約60%が低中所得国に住んでいるが、50年までに71%に上昇するとされている。アルツハイマー病は、この認知症の最も一般的な病気とされ、認知症は他には血管疾患、レビー小体型、前頭側頭型などがある。