夏こそアーモンドミルク ビタミン・ミネラルたっぷりで市場拡大中

アーモンド専門店で最も人気がある「クリームフローズン オールアーモンド」(手前)。50円の追加料金で「クラッシュアーモンド」のトッピングができる(飯田英男撮影)
アーモンド専門店で最も人気がある「クリームフローズン オールアーモンド」(手前)。50円の追加料金で「クラッシュアーモンド」のトッピングができる(飯田英男撮影)

汗をかく夏は、水分やミネラルのこまめな補給が欠かせない。最近人気が高まっているのが、ビタミンEやミネラルなどの栄養が豊富な「アーモンドミルク」だ。売り上げは右肩上がりだという。

ひんやり甘く

アーモンドをたっぷりと使ったドリンクがあると聞き、東京駅にある「江崎グリコ」(大阪市)直営のアーモンド専門店「Glico ALMOND DAYS(グリコ・アーモンド・デイズ)」を訪ねた。

「クリームフローズン オールアーモンド」(690円)は、アーモンドミルクと氷をミキサーにかけた「フローズン」の上に、アーモンドクリームをふんだんに重ね、さらにアーモンドと糖蜜で作ったプラリネソースをトッピングしている。一口飲むと、ひんやりとした感触とともに、ほのかに甘いアーモンドの風味が口の中いっぱいに広がった。

「この1杯に約48粒分のアーモンドが使われています」。こう教えてくれたのは、江崎グリコ健康事業マーケティング部グループマネジャーの江川直(すなお)さん(46)。

アーモンドミルクを使ったドリンクは16種類。無糖でそのままアーモンドの風味を楽しむプレーンは、香ばしさを楽しめるカリフォルニア産と、よりまろやかなスペイン産のいずれかからアーモンドの種類を選べる。またアーモンドミルクを使ったエスプレッソや、スムージーのように果実や野菜と合わせたものも。

「アーモンドは栄養価に優れていて、他の食材と比べてもビタミンEが突出して多く含まれています」と江川さん。ビタミンEには抗酸化作用があり、過剰になれば老化を招く活性酸素を抑制する。ほかにも亜鉛や鉄分などのミネラルを含む。

料理にも活用

健康志向を追い風に、アーモンドミルクの商品化は相次いでいる。

筑波乳業(茨城県石岡市)が今年3月に発売した「濃いアーモンドミルク たっぷり食物繊維」は、1本(1リットル)にアーモンド約80粒を使用。食物繊維が豊富で、コップ1杯(250ミリリットル)で大人が一日に必要とするビタミンEの大半をとることができるという。

また、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)は3月、アーモンドミルクの商品に新たな風味を追加。ココナツミルクとブレンドした無糖タイプはほんのりとした甘さを味わえる。

メーカーの協賛を受け、医師や管理栄養士らの協力のもと、アーモンドミルクに関する情報発信をする「アーモンドミルク研究会」によると、江崎グリコが初めてアーモンドミルクを販売した平成25年以降、国内の市場は拡大している。令和4年には主要4社の販売額が計約155億円となり、平成25年の約22倍になった。

同研究会のメンバーで管理栄養士の柴田真希さん(41)は、「近年の健康意識の高まりを受けて、アーモンドミルクは世の中に浸透してきたのだろう。牛乳や豆乳の代替にすればよいだけなので、多くの料理に活用して食べられるところも人気を呼ぶ理由の一つになっている」と指摘した。

アーモンドミルクの進化は止まりそうもない。(竹中文)

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