「まだ見ぬ自分に出会ってみたい」 宝塚退団発表の花組トップ柚香さんが会見

記者会見に臨む宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光さん=大阪市内(山田喜貴撮影)
記者会見に臨む宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光さん=大阪市内(山田喜貴撮影)

宝塚歌劇団を来年5月で退団すると発表した花組トップスターの柚香光(ゆずか・れい)さんが16日、大阪市内のホテルで記者会見に臨んだ。「宝塚に育てていただいて、たくさんの愛情をいただいて、このまま精進を続けたい思いもあります」と語りつつ、晴れやかな表情で「でも、外の世界でまだ見ぬ自分に出会ってみたい」とも話した。

退団を決めたのは2月頃。「何度も考えたというよりは、宝塚への思い、お客さまへの思いが満ちに満ちて、『卒業させていただきたいな』という思いがふっとわきました」。同時退団となるトップ娘役の星風まどかさんには3月末、「二人だけの戦場」の稽古中に伝えたといい、「星風は『ぜひご一緒させてください』と(同時退団の意思を)打ち明けてくれました」と振り返った。

記者からのリクエストに応じ、花組ポーズで撮影に応じる宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光さん=大阪市内(山田喜貴撮影)
記者からのリクエストに応じ、花組ポーズで撮影に応じる宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光さん=大阪市内(山田喜貴撮影)

平成21年に初舞台を踏み花組に配属された。下級生時代から華やかな容姿とキレのある伸びやかなダンスで魅了し続け、令和元年11月にトップスターに就任した。

思い出深い作品を問われると、「どの作品も自分の分身のような存在なので」と悩みながら、宝塚大劇場トップお披露目公演の「はいからさんが通る」(2年)を最初に挙げた。新型コロナウイルス禍で開幕が4カ月延期となった作品で、「コロナがあったので『はいからさん―』について語ろうと思うと2、3時間かかってしまいそう」と苦笑する。

それほど、トップスターとして走り抜けた道は、コロナ禍との戦いの中にあった。花組が誕生100周年を迎えたのはコロナ禍の3年。花組一筋で育った現役トップスターとして、伝統のバトンを受け継ぎ次なる100年の始点に立つなど、堂々と重責を果たした。

宝塚は「現段階では私の全て。私の青春そのもの」とほほ笑む。そのかけがえのない居場所で柚香の支えとなったのが花組の仲間であり、ファンの存在だ。「皆さまのお言葉や拍手、共有する空間にどれほどのものをいただけたか」と感謝の言葉を何度も繰り返し、こうファンに語りかけた。

「その感謝を舞台でお返しできるよう、卒業の日まで宝塚に身をささげる、ということをお伝えしたいと思います」

退団公演「『アルカンシェル』~パリに架かる虹」(作・演出、小池修一郎)は宝塚大劇場で令和6年2月9日~3月24日、東京宝塚劇場で同4月13日~5月26日に上演される。戦時下のパリを舞台に、レビューの日を消すまいと立ち上がった主人公のダンサーを柚香さんが演じる。(田中佐和)

柚香光さんの記者会見での主なやりとりは次の通り。

退団会見に臨む宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光さん=大阪市内(山田喜貴撮影)
退団会見に臨む宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光さん=大阪市内(山田喜貴撮影)

――退団はいつ決めて花組内ではどう伝えたか

2月頃に決めました。理由としては、このままずっと精進を続けていきたい思いもありますが、外の知らない世界でまだ見ぬ自分に出会ってみたいと思いました。花組の皆には「鴛鴦歌合戦」「GRAND MIRAGE!」の宝塚大劇場公演の千秋楽の前日に伝えました

――トップ娘役の星風まどかさんにはいつ伝えたか

3月末「二人だけの戦場」のお稽古期間中に伝えました。星風は「ぜひご一緒させてください」と(同時退団の意思を)打ち明けてくれました

――思い出の作品は

どの作品も思い出が詰まっていますし、悩んでお稽古を重ねて生み出した自分の分身のような存在なので…。でもあえて挙げるなら「はいからさんが通る」と「巡礼の年」。そして「TOP HAT」「花より男子」も…本当にいとおしい大切な作品ばかりです

――ターニングポイントは

記者からのリクエストに応じ「はいからさんが通る」の伊集院忍少尉の敬礼ポーズを取る宝塚歌劇団花組トップスター柚香光=大阪市内(山田喜貴撮影)
記者からのリクエストに応じ「はいからさんが通る」の伊集院忍少尉の敬礼ポーズを取る宝塚歌劇団花組トップスター柚香光=大阪市内(山田喜貴撮影)

たくさんありますが…お客さまとの心の距離感というのがぐっと縮まった台湾公演。あと、決められた段取りでお芝居するのではなくて、舞台上で息づくということを目指す足掛かりになった「花より男子」。そしてトップになって立場が変わり、新型コロナ(の影響)もあった大劇場お披露目公演の「はいからさんが通る」です

――今ファンに届けたい言葉は

ただただ感謝の思いをお伝えしたいです。皆さまのお言葉や拍手、皆さまと共有する空間にどれほどのものをいただけたか。感謝の思いを舞台でお返しできるように、卒業のその日まで宝塚に身をささげる、ということをお伝えしたいなと思います

――柚香さんにとって宝塚とは

記者会見に臨む宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光さん=大阪市内(山田喜貴撮影)
記者会見に臨む宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光さん=大阪市内(山田喜貴撮影)

現段階では私の全て。私の青春そのものです。かけがえのない、いとおしい大切な、私の中で残り続けるであろう濃い時間を過ごさせていただきました

――入団した頃に自分に今声をかけるなら

あなたは素晴らしい人たちにたくさん出会うよ。だから愛を持って生きなさい、ですね

――卒業後の進路は

今は宝塚に夢中で卒業後に何が待っているかは分からないんですけども…。皆さまに納得していただける「男役・柚香光」の仕事ができるよう、最後まで花組の名に恥じないように襟を正していきたいです

花組トップ娘役・星風さんが退団会見「自分らしく笑顔でいられたら」


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