俳優らの薬物事件や不倫騒動といった不祥事が表面化するたびに、関心が高まるのが映画やテレビドラマなど作品の行方だ。公開延期や放送中止だけでなく、過去作品まで「お蔵入り」になるケースが目立つ。ただ、最近は「作品に罪はない」との声が増え、映画の場合は予定通り公開する動きもみられる。俳優や制作者の不祥事と作品の関係はどうあるべきなのか。
6月16日、大麻取締法違反(所持)の疑いで俳優の永山絢斗(けんと)被告(34)=同法違反罪で起訴=が逮捕された。出演が決まっていた来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の降板が決定。有料BS放送WOWOWは、出演していた映画「冬薔薇(そうび)」など計4作品の放送中止を発表した。
一方、映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編―決戦―」は再撮影や再編集を行わず予定通り6月末に公開されるなど、対応が分かれた。
不祥事後に出演予定の作品を降板するのはやむを得ないが、過去作品の配信や販売の停止については、交流サイト(SNS)で異論が噴出。永山被告出演のドラマ「俺の家の話」(TBS)は、元TOKIOの長瀬智也さん(44)の最後の出演作だったこともあり、《作品に罪はない 過去作はそのままにしてほしい》《お蔵入りにはせめて時効をつけてほしい…》といった声が相次いだ。