高級食材として知られるマツタケの「完全な」ゲノム(全遺伝情報)の解読に成功したと、かずさDNA研究所(千葉県木更津市)と東京大のチームが発表した。収穫量が減少する中、生態などの謎の解明とともに、保全や人工栽培実現への活用などが期待される。今まで難しかった完全解読ができたのはなぜか。背景には、急速に進むDNA解析技術の高度化があった。
7割が反復配列
細胞の核には染色体があり、それを形成しているのは生物の「設計図」が格納されたひも状分子のDNAだ。DNAには4種類の塩基が含まれ、その結合の対を塩基対という。ゲノムの完全な解読とは、染色体の中のDNAの塩基配列を、端から端まで決定することを指している。