首都キーウ(キエフ)から南西に約30キロのカリニフカ。牧草が茂る丘陵地を車で走ると突如、真っ黒に焦げた残骸の山が目に入った。昨年3月末にロシア軍のミサイル2発が直撃し、炎上した石油貯蔵施設だ。黒煙はキーウ市街からも見えたという。
今年4月中旬、ウクライナ環境庁と環境保護団体が企画した見学ツアーに参加してここを訪れた。
環境庁によると、流出した石油で周辺の土壌2万5500平方メートル(東京ドームのグラウンドの約2倍)が汚染され、数々の有害物質が検出された。近くを流れる用水路とため池は周辺農地の水源だが、生息する魚類は死滅していた。