慈しみの歩み むつまじく 天皇、皇后両陛下ご成婚30年

静養のため須崎御用邸を訪れ、三井浜で拾った貝殻を手に笑顔を見せられる天皇、皇后両陛下と長女の敬宮愛子さま。ご夫妻は愛子さまから、自由研究で学ばれたという貝の種類について説明を受けられた=平成30年8月16日、静岡県下田市
静養のため須崎御用邸を訪れ、三井浜で拾った貝殻を手に笑顔を見せられる天皇、皇后両陛下と長女の敬宮愛子さま。ご夫妻は愛子さまから、自由研究で学ばれたという貝の種類について説明を受けられた=平成30年8月16日、静岡県下田市

9日にご成婚30年を迎えた天皇、皇后両陛下は、笑顔あふれる生活を大切に、長女の敬宮(としのみや)愛子さまと家族3人の絆を強められてきた。お二方でさまざまな公務に臨まれ、成年を迎えた愛子さまが両陛下に同行される機会も増えている。

台風19号で被災した宮城県丸森町を見舞われる天皇、皇后両陛下。天皇陛下の即位後、両陛下が災害の被災地を見舞う初めての機会で、陛下は「お体にお気をつけて」、皇后さまは「こちらでの生活はいかがですか」と被災者に言葉をかけられた=令和元年12月26日
台風19号で被災した宮城県丸森町を見舞われる天皇、皇后両陛下。天皇陛下の即位後、両陛下が災害の被災地を見舞う初めての機会で、陛下は「お体にお気をつけて」、皇后さまは「こちらでの生活はいかがですか」と被災者に言葉をかけられた=令和元年12月26日

「私自身幸せな家庭に育った経験をもつ者として、安らぎのある明るい家庭を築いていきたいと思います」。天皇陛下は平成5年1月の婚約直後の記者会見で述べた抱負を、皇后さまとともに30年間の結婚生活で体現されてきた。

皇居・宮中三殿の賢所(かしこどころ)で「結婚の儀」を終え、祝賀パレードに臨まれる天皇、皇后両陛下。沿道には約19万人の人々が集まり、燕尾(えんび)服姿の天皇陛下とローブデコルテにティアラを着用した皇后さまはにこやかに手を振り、祝意に応えられた=平成5年6月9日、東京都千代田区
皇居・宮中三殿の賢所(かしこどころ)で「結婚の儀」を終え、祝賀パレードに臨まれる天皇、皇后両陛下。沿道には約19万人の人々が集まり、燕尾(えんび)服姿の天皇陛下とローブデコルテにティアラを着用した皇后さまはにこやかに手を振り、祝意に応えられた=平成5年6月9日、東京都千代田区

皇后さまは15年から療養生活に入られたが、陛下はこれまでの会見で繰り返し「無理をせずにできることを一つ一つ着実に積み重ねていってほしい」と述べ、見守られてきた。「大変な時にも、『笑い』を生活の中で忘れない」(ご成婚25年に際しての文書回答)ことも心がけてこられた。

13年に愛子さまが誕生されると、陛下は寝かしつけや絵本の読み聞かせなど、ご自身で子育てに取り組まれた。愛子さまは昨年、成年に当たっての会見で、両陛下を「一番近くで寄り添ってくれるかけがえのない有り難い存在」とご表現。ご一家で仲むつまじい日々を過ごされている。

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