海外遠征のたびに「日本の競泳は大丈夫だろうか」と、考えさせられる場面に出会う。5月中旬から3大会に参加した欧州グランプリ(GP)では、カナダ代表の柔軟なスタッフ登用方法に焦りが募った。
昨年から今年にかけ、豪州代表のスタッフだった旧知の2人がカナダ代表の一員になった。情報分析や動作解析を担うアナライザーのトムと、コーチのスコットで、2人は「非常にエキサイティングにやっているよ」と言っていた。刺激的な日々を過ごしているであろうことが想像できた。
カナダ代表を率いるハイパフォーマンスディレクターのジョン・アトキンソン氏に話を聞くと、「どんどんいい人材を入れていきたい」と理由を説明してくれた。風通しがいいチームは活気に満ちていた。2021年の東京五輪が終わって以降、雇用期間満了などで人材が手薄になった日本とは、対照的だった。