天皇、皇后両陛下のご成婚30年を記念し、産経新聞の歴代皇室担当記者とカメラマンが、両陛下のご足跡を振り返る座談会が開かれた。懐かしい写真や過去の新聞紙面を紹介しながら、記者として取材し、目にしてきた両陛下のご公務をめぐるエピソードや、仲睦まじいご様子を語り合った。産経新聞の記者が皇室をテーマに動画で情報発信するのは初めて。
懐かしい号外を紹介
座談会では、産経新聞が保管するアーカイブ資料を公開。まず紹介されたのは、平成5年1月6日付けの号外だ。見出しには「皇太子妃に小和田雅子さん」とある。皇后さまが皇太子だった天皇陛下の妃に内定したことを報じる内容だ。
同月19日にも号外が発行された。皇室会議で正式にご婚約が決まり、お二方で臨まれた記者会見の写真が紙面を大きく飾っている。
この会見では「雅子さんのことは僕が一生、全力でお守りしますから」という陛下のプロポーズのお言葉が皇后さまから明かされた。
〝プリンセス通り〟の熱気
ご婚約内定以降、皇后さまのご実家の前に大勢の取材陣が集まったことも話題となった。
当時、〝プリンセス通り〟と呼ばれたご実家前で取材をしていた産経新聞写真報道局の酒巻俊介記者が、現場の熱気やデジタルカメラがなかった時代の苦労話などを披露した。
30年前のご成婚については、パレードの道順をイラスト化したページや、皇后さまのファッション特集ページなど、平成5年6月9日付けの紙面を取り上げた。
記者の取材エピソード
歴代担当記者が取材現場で目にしてきた両陛下のご様子を振り返るコーナーでは、記事になっていないエピソードが紹介された。
愛子さまご誕生前後の平成11~14年を担当した編集局ウェブ統括、豊川雄之記者は、愛子さまご誕生前の13年2月、両陛下が静養先でスキーを楽しまれた際の逸話を披露した。
13~15年に担当した編集局メディア編成本部デジタル報道部長、上野嘉之記者は、両陛下のニュージーランド、オーストラリアご訪問の同行取材を振り返り、海外だからこそ目にできた両陛下の気さくなご一面を紹介した。
22~24年と29~令和2年までの通算5年間、宮内庁で取材した編集企画部の篠原那美記者は、平成30年の滋賀県ご訪問を話題に。ご視察先で起きた〝イレギュラー〟な出来事によって、両陛下の自然なご夫婦の姿を垣間見た体験を語った。
現在宮内庁キャップを務める橋本昌宗記者は、互いを気づかい合われる天皇ご一家の最新のご様子を詳しく解説した。