原子力規制委員会は9日、北海道電力泊原発(泊村)の再稼働に向けた審査会合で、耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」を従来の最大620ガルから最大693ガルに引き上げることを了承した。平成25年7月の審査申請から約10年で、大きな論点の一つがようやく決着した。
北海道電は停止中の1~3号機のうち、最も新しい3号機の早期再稼働を目指している。だが津波対策などの審査が残っており、審査合格は依然見通せない。
規制委は27年12月、北海道電が示した基準地震動を一度は了承した。だが28年の現地調査を踏まえ、原発周辺の地盤が過去の地震で隆起したことが否定できないと判断。説明のやり直しを求め、関連審査は長期化した。
今後は、3号機の耐震設計に向けた審査が本格化する。自然災害対策では火山や津波の審査が残るほか、既存の設備を撤去して新たに設置する防潮堤の審査も必要だ。