日本の装備提供に懸念伝達 露次官、上月大使は反論

ロシア国旗(ロイター)
ロシア国旗(ロイター)

ロシア外務省は9日、ルデンコ外務次官が日本の上月豊久駐ロシア大使をモスクワのロシア外務省に呼び、日本政府によるウクライナへの軍用車両などの装備品供与決定は「軍事行動のエスカレートや犠牲者の増大につながる」と懸念を伝達したと発表した。

在ロシア日本大使館によると、会談で上月大使は、問題は「ロシア側の侵略に起因して発生している」と指摘。日本側への責任転嫁は受け入れられないと反論した。

ロシア側の対応は、5月に広島で行われたウクライナのゼレンスキー大統領との会談で岸田文雄首相が、自衛隊保有の小型トラックや高機動車などを提供すると表明したことへの反発とみられる。ルデンコ氏は「こうした決定は日露の2国間関係を一層危険な袋小路に追い込む」と述べた。

これに対し上月氏は、ロシアの侵攻は「力による一方的な現状変更の試みで、明白な国際法違反」だと指摘。全ての部隊を直ちに撤退させるよう求めた。(共同)

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