【カイロ=佐藤貴生】中東の石油大国サウジアラビアを訪問したブリンケン米国務長官は7日、首都リヤドで開かれた湾岸協力会議(GCC)の閣僚級会合に出席した。ブリンケン氏は開催に先立ち、「米国はこの地域にとどまる」と述べ、中東諸国との関係強化に努める方針を示した。
ロイター通信によると、ブリンケン氏は同日、サウジの実力者ムハンマド・ビン・サルマン皇太子に続いてファイサル外相とも会談した。
サウジは3月、中国の仲介でイランと外交関係の正常化で合意したほか、ウクライナに侵攻したロシアとも一定の関係を維持している。中露がサウジなど中東諸国への影響力を強める中、ブリンケン氏は訪問を通じて米国の存在感をアピールした形だ。
ブリンケン氏は訪問最終日の8日、リヤドで開かれたイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の壊滅を目指す有志連合の閣僚級会合に出席し、「シリアとイラクではIS打倒に成功したが、ISはアフガニスタンで勢力を回復しつつある」と述べ、「ISとの闘いは終わっていない」と強調した。