【ワシントン=大内清】米共和党のトランプ前大統領は8日、自身の交流サイト(SNS)で、新たに起訴されたと明らかにした。CNNテレビは、起訴はトランプ氏が退任時にホワイトハウスから機密文書を持ち出した事件に絡むもので、罪状は文書の意図的な保持や当局への虚偽申告など7つにわたると報じた。トランプ氏が刑事訴追されるのは、不倫関係にあったポルノ女優への口止め料支払いを巡り、3月末に東部ニューヨーク州で起訴されたのに続き2度目。
トランプ氏は8日の動画声明で、訴追は2024年大統領選での返り咲きを阻止するためにバイデン政権が仕組んだ「選挙妨害だ」と主張した。共和党の候補者指名争いが本格化する中、今回の起訴によってトランプ支持層がいっそう結束を強める可能性がある。
トランプ氏の機密文書持ち出しでは、司法省の連邦捜査局(FBI)が昨年8月に南部フロリダ州の保養地パームピーチにあるトランプ氏の邸宅を家宅捜索し、その後、特別検察官による捜査が続いていた。トランプ氏は、文書は自身の判断で機密解除したものだなどと主張していた。
トランプ氏はSNSへの投稿で、13日午後に同州マイアミの裁判所に出頭するよう命じられたと説明。「私は無実の男だ!」などと書き込んだ。
機密文書の取り扱いを巡っては今年1月、バイデン大統領の個人事務所や自宅でも、副大統領時代や上院議員時代に持ち出されたとみられる文書が保管されていることが発覚し、特別検察官の捜査対象となっている。