佐賀県は9日、吉野ケ里遺跡(吉野ケ里町、神埼市)の「謎のエリア」で見つかった石棺墓の開口調査で、石棺の構造とサイズが判明したと明らかにした。内寸は長さ約180センチ、幅約36センチで、2つの側面は各4枚の石から成り、両端は各1枚の石からできていた。
この日は石棺の外側を約15~20センチ、内部を約2センチ掘り、石棺を作る石の上部が露出した。棺の幅が狭いのに対し、5日に開けた石棺のふたは100キロ以上の重さがあり、県の担当者は「小さい墓なのでもっと軽いふたでもいいはず。相当、封じ込めておきたい人が入っていたことはあり得る」と述べた。
被葬者の性別などにつながる発見はなかった。石棺墓の外側に、墓と同時期かそれ以前の物とみられる弥生時代の土器片も見つかった。調査は週明けの12日に再開する。