コロナ死者数、超過死亡で初公表 3~5月は「0人」

東京都千代田区の厚生労働省(納冨康撮影)
東京都千代田区の厚生労働省(納冨康撮影)

厚生労働省は9日、一部自治体を対象に3~5月、新型コロナウイルスによる死亡以外を含む実際の総死者数と、例年の動向から予測される推定死者数の差から算出した「超過死亡」が、いずれの時期も「0人」だったと発表した。

都道府県によるコロナ死者数の毎日の公表・報告は、感染症法上の位置付けが5類に移行し、終了。同省は超過死亡を指標の1つとして月2回、国立感染症研究所のウエブサイトで公表するとしており、今回が初発表となった。

今回の調査期間は5月14日までの直近8週間。全国17の自治体について、過去5年の死者数や高齢化など社会情勢を加味し、予測死者数や上下限値を設定、実際の死者数と比較した。

実数が上限値を上回っていると「超過」、下限値未満だと「過小」と評価する。今回はいずれも上限値に達していなかった。

死者数把握を巡っては、厚労省は、出生や死亡、婚姻などの状況把握のため従前実施してきた「人口動態調査」により、国内の全死者数は約2カ月後、コロナを含めた死因別死者数は約5カ月後に、それぞれ公表する。今回の超過死亡活用の仕組みはより迅速な動向把握のために設けられた。

9日は定点医療機関からの報告による週1回のコロナ感染者数も発表。5月29日~6月4日分で、計2万2432人だった。1医療機関当たりの平均は4・55人、前週比は1・25倍。

沖縄が同15・80人、前週比1・53倍と突出して多く、石川が6・98人、北海道が6・71人で続いた。

会員限定記事会員サービス詳細