自民が防衛増税先送り提言 首相「受け止める」

官邸に入る岸田文雄首相=9日午前、首相官邸(岩崎叶汰撮影)
官邸に入る岸田文雄首相=9日午前、首相官邸(岩崎叶汰撮影)

岸田文雄首相は9日、首相官邸で自民党の萩生田光一政調会長と面会し、防衛費増額に向け増税以外の財源の上積みを政府に求める党の提言を受け取った。

萩生田氏は、令和6年以降の適切な時期としている増税開始の先送りが可能だとの認識を示した。税収の上振れ分を活用することなどによって「7年度以降のしかるべき時期とする柔軟な判断も可能になる」と述べた。首相は「増税時期は柔軟に考えるという提言を受け止めたい」と応じ、経済財政運営の指針「骨太の方針」に反映させる考えを示した。面会後、萩生田氏が記者団に明らかにした。

提言は、萩生田氏が委員長を務める党の特命委員会がまとめた。財源としては、外国為替介入に備えて管理している外国為替資金特別会計の剰余金の活用や、政府保有株に関連してNTTの完全民営化の検討に触れている。

萩生田氏は今後、少子化対策などの財源確保についても議論したい考えを明らかにした。「社会保障分野でも、工夫することによって財源確保の道が開けるのではないか」と述べた。

防衛増税先送りにも言及 自民特命委が提言案

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