自衛隊法では、有事の際、防衛大臣が海上保安庁を指揮下に入れることになっている。4月28日、政府はその「統制要領」を策定し概要を公表した。有事における海上自衛隊と海保の連携強化は、極めて重要であるが、「長年積み残されてきた課題」(岸田文雄首相答弁)であったので、一歩前進といえる。だが、疑問も残る。
戦いはグレーゾーンで起きる
自衛隊は前線で防衛作戦に専念し、海保は国民保護や海上における人命の保護等、後方で最大限の役割を果たすという。海保は、現に戦闘が行われている海域で活動することは想定していないというが、そんな線引きは現実的か。