ボルソナロ氏、権力乱用罪で訴追 ブラジル検察

3日、ブラジル・ブラジリアの自宅を出るボルソナロ前大統領(ロイター=共同)
3日、ブラジル・ブラジリアの自宅を出るボルソナロ前大統領(ロイター=共同)

【ニューヨーク=平田雄介】南米ブラジルの検察当局などは7日までに、昨年10月の大統領選で敗北した右派のボルソナロ前大統領が在任中に「陸軍の参加を得て選挙不正を正す」などと訴えたとして、権力乱用などの罪で高等選挙裁判所に訴追し、8年間の被選挙権の停止を求めた。高等選挙裁は22日に審理を始める。米欧メディアが伝えた。

訴状を確認した米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、ボルソナロ氏は昨年7月、フランスやスペイン、欧州連合(EU)の外交官約40人に「ブラジルの投票システムの失敗を陸軍の参加を得て正したい」と訴え、「選挙の信頼性を傷つけた」とされる。

これに対し、ボルソナロ氏の弁護士は「外交官への訴えは選挙に関する正当な懸念を提起する(大統領としての)統治行為」と主張し、選挙干渉について否定している。

ボルソナロ氏の支持者は今年1月、選挙に勝利した左派ルラ政権の転覆を目指し、国会と大統領府、最高裁判所を襲撃、陸軍にクーデターを促した。ボルソナロ氏は襲撃を扇動した疑いでも捜査を受けている。

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