来年1月の台湾の総統選に立候補を表明している台湾民衆党の柯文哲主席(63)は8日、都内の日本外国特派員協会で記者会見し、「台湾有事は日本有事」ではなく「『台湾の平和は日本の平和、世界の平和』といえるようにしたい」と述べ、中台関係の安定に向け中国との対話に意欲を示した。
柯氏は台湾の与党、民主進歩党は「完全に中国共産党との相互信頼を失った」と批判。最大野党の中国国民党も中国に「従いすぎる」として、二大政党では「両岸(中台)の苦境を解決できない」と訴えた。
その上で、防衛力の強化で中国の侵攻を抑止する一方、対話を通じて「衝突の危険を減らし、平和を生み出す」と主張した。柯氏は中国が対話の条件とする「一つの中国」原則に基づく「1992年コンセンサス」を民進党と同じく受け入れていないが、自身が台北市長を務めた際には中国の地方都市との交流を成功させたとして、中国側の譲歩に期待を示した。
柯氏は「日本は台湾のアジアでの最も重要な盟友だ」として日米台の安保対話や日台のサプライチェーン(供給網)の強化も訴えた。柯氏は4日から来日し、与野党の国会議員らと会談するなどした。