サンゴ礁で囲まれた鹿児島県・奄美大島の海で、夏の風物詩、サンゴの一斉産卵が始まった。桃色をした無数の卵が浮遊し、海中は幻想的な風景に様変わり。7日夜に産卵風景を見守った奄美海洋生物研究会の興克樹会長(52)は「力強いサンゴの命の営みに感動した」と話した。
研究会によると、一斉産卵は同県瀬戸内町の沖約50メートル、水深約5メートルの地点で7日午後9時半ごろから約1時間観察された。5種類のサンゴが産卵し、付近に卵を狙う小魚が集まった。
サンゴからは卵と精子の入った「バンドル」と呼ばれる桃色のカプセルが放出され、ピーク時には前が見えないほど水中を埋め尽くした。
一帯はオニヒトデによる食害が少なく、数十メートル続くサンゴ群集が数多く点在する。