【ニューヨーク=平田雄介】カナダで多発する山火事の煙が米国境を超えてニューヨーク市に流れ込み、6~7日にかけてマンハッタンの高層ビルや「自由の女神」をオレンジ色にかすめた。ニューヨーク州は7日、煙が含む微粒子が健康被害をもたらすとして、自宅の窓を閉めて外出を控えるよう住民に呼びかけた。
煙は米中西部から東海岸の空を覆い、各地で大気の質が低下した。ニューヨーク市内の大気の質は6日夜に「世界最悪」を記録、地元紙は「通常はワースト3000にも入っていない」と異常事態を伝えた。
煙の発生源のカナダでは今年2200件超の山火事が発生。原因はたき火と落雷がそれぞれ半数を占め、地球温暖化が山火事を長期化させているという。
米ウォール街で働く40代の男性は「こんなに煙を見るのは2001年9月11日の米中枢同時テロで世界貿易センター(WTC)ビルが倒壊したとき以来だ」と話し、マスクをつけた。