「ギャップ萌(も)え」-。最初に抱いた印象と違う一面を知ったときに感じる心のときめき。今回は、誰もがそんなギャップ萌えを抱いてしまう入団4年目の若手座員を紹介します。
名前は咲方響(さかた・ひびき)。華奢(きゃしゃ)な体に白い肌。透明感があって、とてもかわいらしいです。そんな彼女の幼い頃の夢は、まさかの「自衛隊員、消防士、警察官」だったそうです。
島根県で生まれ育ち、バレーボール、テニス、ボクシングを習い、中学時代は男子に交ざってサッカー部に所属していたそうで、今の雰囲気からは想像がつきません。
そんな活発な彼女は「いかに楽しく、大学の卒業資格をとるか」というだけの理由で、演劇に全く興味がないのに、大阪芸術大学短期大学部のメディア・芸術学科に進学しました。進路の決め方も豪快です。
大阪に出て舞台について学ぶ日々の中で、「大阪で舞台といえば吉本新喜劇」と思いたち、劇場に足を運びます。そして新喜劇に魅了され、在学中にオーディションに合格して座員となりました。
「『すごいな』と憧れていた人が、実際にお会いしてもやっぱりすごい。本当に幸せな環境です」。入団前と後で、新喜劇の先輩方にはギャップは感じなかったようです。
自身を楽観的とみる彼女は「生まれてからずっと楽しい。新喜劇も楽しい。でも頑張らないと出番はこないので、楽しむために頑張ります」。力強く語る彼女のパワーの源は、地元・島根で応援してくれている家族だそうです。
「母がデザインしてくれた〝応援名刺〟を、祖父が配り歩いています。きっとこの記事も、祖父が切り抜いてラインを引いたりして、大切に保管してくれるはずです」と教えてくれました。
新喜劇ファンの方もそうでない方も、そして座員のご家族の目にも触れるこのコラム。筆者は改めて身が引き締まりました。これからも、すてきな座員をすてきに紹介していきます。
はじめましてお母さま、おじいさま。響ちゃん、大阪で頑張っていますよ!(吉本新喜劇座員・芸人ライター 吉岡友見)