天皇、皇后両陛下と愛犬たちのヒストリー 写真で振り返るピッピとまりと由莉

ご成婚25年を前に、愛犬の由莉を連れて東宮御所の庭を散策される皇太子同妃時代の天皇、皇后両陛下=平成30年6月5日、東京・元赤坂(宮内庁提供)
ご成婚25年を前に、愛犬の由莉を連れて東宮御所の庭を散策される皇太子同妃時代の天皇、皇后両陛下=平成30年6月5日、東京・元赤坂(宮内庁提供)


9日にご成婚30年を迎えられる天皇、皇后両陛下。節目ごとに撮影された両陛下の写真には、穏やかに寄り添う愛犬たちの姿がある。かつて記者会見で、夫婦円満の秘訣を聞かれた皇后さまが、愛犬を話題に、ユーモアあふれる回答をされたこともあった。天皇ご一家の笑顔を引き出してきた愛犬たちの歴史を写真で振り返る。

けんかの種食べ、愛子さま見守る

「犬がいるというのも夫婦の仲にとって、とてもよいように思います。よく『夫婦げんかは犬も食わぬ』と申しますけれども、けんかの種は割とよく拾って食べてくれるような気がいたします」

ご成婚から5年となる平成10年12月4日、35歳の誕生日を前に記者会見に臨まれた皇太子妃時代の皇后さま。当時皇太子だった天皇陛下とのけんかの仲直りの方法をたずねられた際に、愛犬の存在に触れ、ユーモアあふれる回答をされた。

当時、両陛下が飼われていたのは「ピッピ」と「まり」。お住まいのある赤坂御用地に入ってきた雑種の犬が産んだ子犬を育てられてきた。

2匹は13年に誕生された両陛下の長女、敬宮愛子さまのご成長も側で見守った。

敬宮愛子さまの6歳の誕生日を前に、赤坂御用地で撮影された皇太子同妃時代の天皇ご一家と愛犬のピッピとまり=平成19年、11月18日 東京・元赤坂(宮内庁提供)
敬宮愛子さまの6歳の誕生日を前に、赤坂御用地で撮影された皇太子同妃時代の天皇ご一家と愛犬のピッピとまり=平成19年、11月18日 東京・元赤坂(宮内庁提供)
48歳の誕生日を前に、愛犬のピッピとまりと一緒に、ご一家で歓談される皇太子時代の天皇陛下=平成20年2月14日、東京・元赤坂(宮内庁提供)
48歳の誕生日を前に、愛犬のピッピとまりと一緒に、ご一家で歓談される皇太子時代の天皇陛下=平成20年2月14日、東京・元赤坂(宮内庁提供)

スカーフで〝リンクコーデ〟

ピッピとまりが死んだ21年に新たにご一家の一員に加わったのが、現在も飼育されている「由莉」だ。柴犬系の雌の雑種で、捨てられて保護されていたところを、ご一家が、親しい動物病院を通じて譲り受けられたという。

静養のため、愛犬の由莉を連れて、御料牧場に向かわれる皇太子同妃時代の天皇、皇后両陛下と敬宮愛子さま=平成21年5月2日、宇都宮市(代表撮影)
静養のため、愛犬の由莉を連れて、御料牧場に向かわれる皇太子同妃時代の天皇、皇后両陛下と敬宮愛子さま=平成21年5月2日、宇都宮市(代表撮影)
平成21年4月から天皇ご一家のもとで飼われ始めた愛犬由莉。皇太子妃だった皇后さまに抱かれているのは、まだ子犬の姿=平成21年5月2日、宇都宮市(代表撮影)
平成21年4月から天皇ご一家のもとで飼われ始めた愛犬由莉。皇太子妃だった皇后さまに抱かれているのは、まだ子犬の姿=平成21年5月2日、宇都宮市(代表撮影)

由莉は、両陛下や愛子さまのお誕生日に公表される写真やご静養先の写真などにたびたび登場している。

ご成婚25年を前に、愛犬の由莉を連れて散策される皇太子同妃時代の天皇、皇后両陛下。この日の由莉は、皇后さまの装いと同じピンクのスカーフ=平成30年6月5日、東京・元赤坂(宮内庁提供)
ご成婚25年を前に、愛犬の由莉を連れて散策される皇太子同妃時代の天皇、皇后両陛下。この日の由莉は、皇后さまの装いと同じピンクのスカーフ=平成30年6月5日、東京・元赤坂(宮内庁提供)

首元の愛らしいスカーフは、そのときどきのご一家の装いと同系色のことも多く、ご一家は愛犬とも〝リンクコーデ〟を楽しまれているようだ。

静養先で愛犬由莉を連れて散策される皇太子同妃時代の天皇、皇后両陛下と敬宮愛子さま。ご一家の装いと同じブルーのスカーフを巻いた由莉=平成30年8月25日、栃木県那須町(代表撮影)
静養先で愛犬由莉を連れて散策される皇太子同妃時代の天皇、皇后両陛下と敬宮愛子さま。ご一家の装いと同じブルーのスカーフを巻いた由莉=平成30年8月25日、栃木県那須町(代表撮影)
かわいい柄のスカーフを巻いた愛犬由莉とともに、那須御用邸の敷地内を散策される天皇、皇后両陛下と敬宮愛子さま=令和元年8月19日、栃木県那須町(代表撮影)
かわいい柄のスカーフを巻いた愛犬由莉とともに、那須御用邸の敷地内を散策される天皇、皇后両陛下と敬宮愛子さま=令和元年8月19日、栃木県那須町(代表撮影)


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