9日にご成婚30年を迎えられる天皇、皇后両陛下。節目ごとに撮影された両陛下の写真には、穏やかに寄り添う愛犬たちの姿がある。かつて記者会見で、夫婦円満の秘訣を聞かれた皇后さまが、愛犬を話題に、ユーモアあふれる回答をされたこともあった。天皇ご一家の笑顔を引き出してきた愛犬たちの歴史を写真で振り返る。
けんかの種食べ、愛子さま見守る
「犬がいるというのも夫婦の仲にとって、とてもよいように思います。よく『夫婦げんかは犬も食わぬ』と申しますけれども、けんかの種は割とよく拾って食べてくれるような気がいたします」
ご成婚から5年となる平成10年12月4日、35歳の誕生日を前に記者会見に臨まれた皇太子妃時代の皇后さま。当時皇太子だった天皇陛下とのけんかの仲直りの方法をたずねられた際に、愛犬の存在に触れ、ユーモアあふれる回答をされた。
当時、両陛下が飼われていたのは「ピッピ」と「まり」。お住まいのある赤坂御用地に入ってきた雑種の犬が産んだ子犬を育てられてきた。
2匹は13年に誕生された両陛下の長女、敬宮愛子さまのご成長も側で見守った。
スカーフで〝リンクコーデ〟
ピッピとまりが死んだ21年に新たにご一家の一員に加わったのが、現在も飼育されている「由莉」だ。柴犬系の雌の雑種で、捨てられて保護されていたところを、ご一家が、親しい動物病院を通じて譲り受けられたという。
由莉は、両陛下や愛子さまのお誕生日に公表される写真やご静養先の写真などにたびたび登場している。
首元の愛らしいスカーフは、そのときどきのご一家の装いと同系色のことも多く、ご一家は愛犬とも〝リンクコーデ〟を楽しまれているようだ。