防衛省は8日、中国海軍のシュパン級測量艦1隻が同日午前、鹿児島県・屋久島の南西の日本領海に侵入したと発表した。付近では令和3年以降、中国測量艦の領海侵入が続発。今年2月にも同省が公表している。
防衛省によると、測量艦は8日午前7時半ごろ、屋久島の南東で、領海外側の接続水域を西寄りに航行。その後、午前10時ごろには屋久島の南西で領海に侵入した。潜水艦の航行ルートを調査していた可能性がある。
約3時間後の午後1時ごろ、口永良部島の西で、領海外へ出て、東シナ海へ向かった。この間、海上自衛隊の護衛艦や哨戒機が監視に当たった。
国連海洋法条約上は、「無害通航」として、沿岸国の安全を害す行動をとらずに他国領海を通航することが認められている。ただし、その場合も調査や測量活動は行えない。
防衛省によると、今回の領海侵入を受け、外交ルートを通じ中国側に強い懸念を伝え、抗議した。