浪速風

結局負担増では

1日に首相官邸で開かれた、こども未来戦略会議で発言する岸田文雄首相(中央)=矢島康弘撮影
1日に首相官邸で開かれた、こども未来戦略会議で発言する岸田文雄首相(中央)=矢島康弘撮影

追加のご負担なしに新しいサービスを利用いただけます―。そう告げられると、裏に何かあるのじゃないかと勘繰ってしまう。ただより高いものはないと言うではないか。政府が増税せずに少子化対策に「3兆円台半ば」のお金を投じるという案をまとめたが、どうだろう。やはり額面通りには受け取れない。

▶健康保険料などに「支援金」を上乗せして徴収するという。これではほとんど増税と一緒ではないか。ただし、社会保障の収支を改善させて保険料の伸びを抑え、支援金による負担感を相殺。しかし、間に合いそうにないので、支援金収入をカタにした「こども特例公債」発行(借金)でしのぐという。

▶つじつまを合わせたようで、ごまかし切れていないような感もあるが、この線で議論を進めて年内にお金を調達する算段をつけるという。結局のところ、負担は避けられないと確認することになりそうだ。結論の先送りをしなければ、だが。


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