米国務長官、サウジ皇太子と会談 関係改善目指す

サウジアラビアのムハンマド皇太子(右)と会談するブリンケン米国務長官=7日、サウジアラビア・ジッダ(ロイター)
サウジアラビアのムハンマド皇太子(右)と会談するブリンケン米国務長官=7日、サウジアラビア・ジッダ(ロイター)

【カイロ=佐藤貴生】ブリンケン米国務長官は6日、中東の石油大国サウジアラビア西部ジッダに到着し、7日にムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談した。サウジは本来は親米国だが中露への傾斜が目立っており、ブリンケン氏は8日までの滞在で関係改善を目指す。

サウジには昨年7月にバイデン米大統領が訪れており、それに次ぐ高位の米政府当局者の訪問となる。

ロイター通信によると会談は約1時間40分行われた。ブリンケン氏はスーダンで続く戦闘を巡り、米国とサウジが行っている停戦調停や米国民の退避支援について、ムハンマド皇太子に謝意を示した。米当局者はブリンケン氏がサウジの人権侵害の問題にも言及したと述べた。

両者はサウジとイランの代理戦争の様相を呈するイエメン内戦の解決や、米国が支持するサウジとイスラエルの関係正常化も協議した。米当局者は「オープンで率直」な対話で、「双方の立場が異なる点も認識した」と意義を指摘した。

米国務省によるとブリンケン氏は7日、湾岸協力会議(GCC)の閣僚級会合に出席。8日はサウジのファイサル外相と、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の壊滅を目指す有志連合の閣僚級会合を共催する。

スンニ派の大国サウジには米軍の要員が駐留し、域内の安全保障の要を担う。しかしバイデン政権は2018年の反体制サウジ人記者殺害で、ムハンマド皇太子が拘束や殺害を承認していたとする報告書を公表。サウジなどが警戒するイランの核問題も、米政権が対話による解決を掲げたものの長く停滞し進展する気配はない。サウジはこうした中で中国に接近を図った。

サウジは3月に中国の仲介で宿敵であるシーア派の大国イランと外交関係正常化で合意、米国の影響力衰退が浮き彫りになった。

バイデン氏の昨夏のサウジ訪問は、ロシアのウクライナ侵略に伴う石油価格の高騰を受け、増産を求めるのが目的だった。だがサウジは同じ産油国であるロシアと協調し、米側の要請に応じていない。

他方でサウジは国際的な影響力を強めつつある。ジッダで5月に開かれたアラブ連盟(22カ国・地域)首脳会議には、ウクライナのゼレンスキー大統領が先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に向かう途上、飛び入り参加し演説した。

会員限定記事会員サービス詳細