【ニューヨーク=平田雄介】国連のグテレス事務総長は6日、ウクライナ南部カホフカ水力発電所のダム決壊について、ロシアのウクライナ侵略に伴う「破滅的な結果」と批判し、民間人や民間インフラへの攻撃をやめるよう訴えた。安全保障理事会は6日、緊急公開会合を開催、ウクライナとロシアが互いに「破壊したのは相手だ」と非難した。
米国のウッド国連代理大使は会合に先立ち、「ウクライナが国民に避難を強いる行動をする理由はない」と述べ、露側の「ウクライナの意図的な破壊行為」との主張に疑問を呈した。
ウクライナのキスリツァ国連大使は会合で、「カホフカ水力発電所を占拠するロシアが爆弾をダムに仕掛けて爆破した」と訴えた。
日本の石兼公博国連大使ら多くの国の代表は「ロシアの侵略がなければ起きなかった事態だ」と述べ、ロシアの侵略行為を改めて批判した。
長期間にわたり深刻な影響を自然環境に及ぼす意図的な行為は「戦争犯罪」にあたるとして、責任追及へ調査を促す声が相次いだ。