新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから8日で1カ月たち、感染対策が平時へと戻る中で、インフルエンザなどの風邪症状をもたらす感染症が季節外れの流行を見せている。コロナ禍での免疫低下の影響に加え、水際対策の緩和に伴って海外からの流入も懸念される。専門家は「生活習慣を見直しながら、失われた免疫を取り戻さなければいけない」と指摘する。
浜松市の女性(56)は5月10日頃から喉が痛くなり、鼻水やたんなどの症状が出始めた。病院ではコロナやインフルではなく一般的な風邪と診断され、「今年の風邪は喉が痛くなる人が多い」と告げられた。症状の回復までに約2週間かかったという。
「いとう王子神谷内科外科クリニック」(東京都北区)では、コロナ疑いを含め風邪症状を訴える患者が1日30~40人受診。5類移行前の約1・5倍に増えており、伊藤博道院長は「コロナが急増している実感はないが、広義の風邪患者が多く、免疫が弱まっていると重篤化もする」と話す。