民主党が政権交代を果たしてから約1カ月後の2009年10月。閣僚が集まった場で、防衛政策と必要な自衛隊の規模を説明する「防衛計画の大綱」について、改定を1年先送りすることが報告された。政権交代前の麻生太郎内閣は09年末に改定する方向で作業を進めていたが、民主党政権で全面的に見直すには時間が足りなかった。
「すばらしい意見だ。それでこそ本当の政権交代だ」
鳩山由紀夫内閣で郵政改革担当相に就任していた国民新党代表の亀井静香はこう言って賛成したという。政権交代した政権が新たな大綱を策定するのは不思議ではない。問題は、民主党には確たる防衛政策がなかった点だった。