校閲記者　新聞の正しさへ最後の砦　ミス排除にプロの視線　地方部次長・池田進一

「五・一五事件で暗殺された犬養毅元首相ですが、亡くなったのは５月１５日でいいんでしょうか。首相官邸のホームページ（ＨＰ）には内閣総理大臣としての在職期間が、５月１６日までとなってるんですけど」

以前、政治家の暗殺について紙面で取り上げたとき、大阪校閲の記者からかけられた一言だ。五・一五事件で亡くなったのだから、在職期間もその日までだろうと根拠もなく思いこんでいたため「何を言われているのかよくわからない」と少し混乱した。

少し調べてみると、国立国会図書館の「近代日本人の肖像」というＨＰでは命日を５月１５日としている。犬養を顕彰する「犬養木堂記念館」（岡山市北区）も略歴に「５月１５日首相官邸で凶徒に襲われ、同日夜半死去」とある。