ウクライナ侵略を続けるロシアのショイグ国防相は6日、過去3日間にウクライナ軍が多方面の戦線で「約束していた攻勢」を実施したものの、露軍により多大な損失を受けて撃退されたと主張した。露国防省が同氏の声明を発表した。
ショイグ氏は、3日間の攻勢でウクライナ軍は3715人の人的損失を出し、戦車52両と207台の装甲車両、戦闘機5機などを喪失したと主張。「ウクライナ軍は目標を達成できず、多大な損失を出して停止した」と述べた。また、露軍側も71人の戦死者と210人の負傷者を出し、戦車15両などを喪失したとした。
これに対し、ウクライナは「ロシアはウクライナ軍が反攻に失敗したとの虚偽情報を流し、国民の戦意をくじこうとしている」と指摘。反攻への着手を否定し、ロシアの主張を信じないよう国民に呼び掛けている。
米シンクタンク「戦争研究所」は5日、「複数方面で戦闘の激化が観察されている」とした一方、それがウクライナ軍の反攻作戦の一部かどうかを判断するには時期尚早だと指摘した。
一方、露西部ベルゴロド州のグラトコフ知事は6日、ウクライナ軍と共闘しているロシア人義勇兵組織「ロシア義勇軍団」が5日に支配下に置いたと表明した同州の集落ノーバヤタボルジャンカを含め、「州内に敵はいない」と交流サイト(SNS)で主張した。ただ、ロシア義勇軍団は同集落をなお支配下に置いていると表明。双方の主張が食い違っている。