ブラジルのメディアによると、世界的ヒット曲「イパネマの娘」の歌手として知られるアストラッド・ジルベルトさんが5日、米東部フィラデルフィアの自宅で死去した。83歳。死因は明らかになっていない。
1940年3月、ブラジル北東部サルバドルでドイツ人の父とブラジル人の母の間に生まれた。リオデジャネイロに移り、59年にボサノバ歌手でギタリストの故ジョアン・ジルベルトさんと結婚、米国に渡った。
ジョアンさんと米サックス奏者の故スタン・ゲッツさんが共演した64年のアルバムに参加し、英語で歌った「イパネマの娘」が大ヒット。独特の柔らかな歌い方で人気を博した。
ジョアンさんと離婚後も、ソロや息子たちとの共演で多くのアルバムを発表。日本を含め世界中でツアーを行い「ボサノバの女王」として知られた。2002年に国際ラテン音楽の殿堂入り。08年にラテン・グラミー賞運営団体から生涯功労賞を授与された。(共同)