【ワシントン=大内清】米国のペンス前副大統領(63)は5日、2024年大統領選に向けた共和党の候補者指名争いへの出馬を連邦選管当局に届け出た。同党の指名レースへの参戦は9人目。候補が乱立する中、返り咲きを狙うトランプ前大統領(76)とは対立関係にあるペンス氏が出馬したことで「非トランプ」票が割れ、結果的にトランプ氏に有利に働くとの見方もある。
ペンス氏は7日、指名争いの初戦の舞台となる中西部アイオワ州で出馬表明後で最初の演説を行う見通し。ペンス氏は熱心なキリスト教福音派で知られ、人工妊娠中絶の禁止や公教育の場での聖書学習などを主張する宗教保守層への浸透を図るものとみられる。
ペンス氏は、トランプ氏が敗れた20年大統領選後、バイデン現大統領(民主党)の当選を確定させる議会手続きを阻止するよう迫るトランプ氏の要求を拒否。このため、21年1月に起きた連邦議会襲撃事件では、暴徒化したトランプ支持者たちの標的となった。