スポーツ用品大手のミズノは6日、睡眠(寝具)市場への本格参入に向け、東京都内で商品発表会を開催した。寝具ブランド「MIZUNO SLEEP(ミズノスリープ)」を立ち上げ、第1弾としてマットレスや敷きパッドなどを14日から受注販売する。スポーツ用品開発で培った知見を生かした商品展開で、高機能マットレスで先行する「エアウィーヴ」や「西川」との差別化を図り、令和7年に寝具分野で売上高10億円を目指す。
主力商品となるマットレス「ReFull(リフル)」は、独自開発した通気性と耐久性に優れたポリエステル系の繊維素材を使用。それを糸状に絡めて3層構造としており、身体が接触する上層部は柔らかい素材を、下層部は身体が沈み込まない硬い素材を使うことで、高い反発力とフィット感の両立を図った。
さらに、頭、肩、腰、太もも、ふくらはぎ、かかとの各部位が当たる部分は、形や睡眠時の可動域などを考慮し、部位ごとに体圧を分散するような特徴的な設計となっている。ミズノによると一般的なウレタン布団に比べ、約20%軽い力で寝返りができるという。
価格は8万8千(シングル)~11万5500円(ダブル)。アクティブシニアを含む健康志向の高い人をターゲットに、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」や通販、ミズノ直営店などで受注販売。9月中旬の発送を予定している。
こうした高機能マットレスでは、フィギュアスケートの五輪銀メダリストの浅田真央さんを広告宣伝に起用する「エアウィーヴ」や、米大リーグで投打二刀流で活躍する大谷翔平選手を起用する西川の「エアー」が市場で大きな存在感を示している。
このタイミングでの市場参入について、ミズノの後藤俊博ライフ&ヘルス事業部長は「新型コロナ禍で外出が制限される中、快眠を求めるニーズの高さを再認識したことが大きい」と説明。「後発となるが、データで証明できる寝返りのしやすさなど総合的な優位性はあるとみている。契約選手の利用も促し、ホテルでの採用事例も増やしていく」と自信をみせる。
この日行われた発表会には、陸上の東京五輪男子200メートル日本代表の飯塚翔太選手がリフルを体感。「タッチが柔らかいのに安定性がある。遠征先に持って行きたいです」とアピールした。(西村利也)