浪速風

「五公五民」と騒ぎ立てる野党政治家

安易に「五公五民」と騒ぎ立てる野党政治家のなんと多いことか
安易に「五公五民」と騒ぎ立てる野党政治家のなんと多いことか

少し前からネット上などで「五公五民」という言葉をよく目にする。財務省が発表した昨年度の国民負担率(国民所得に占める税金と社会保険料の割合)が47・5%だったことを批判して使われている。一生懸命働いても収入の半分近くを国に召し上げられる現実が嫌なのだろう。

▶元々「五公五民」は戦国大名たちが領民に掛けた税率である。下剋上でのし上がった北条早雲はこれを「四公六民」として領民の支持を集め、関東一円に所領を広げた。後に関東を治める徳川幕府もこの善政を踏襲したが、徳川時代中期には財政が疲弊し、「五公五民」とした。

▶いわば重税感を象徴するのがこの言葉なのだが、現在の47・5%は医療から年金、失業から介護までをカバーする財源になっている。年貢を取り立てられるだけの戦国・江戸時代とは全く異質のものだ。こうした道理も考えず、安易に「五公五民」と騒ぎ立てる野党政治家のなんと多いことか。知性を疑うしかない。

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